脱サラ後必要な手続き方法(年金・社会保険・税金等)

目次

脱サラし独立後は全部自分で手続き必須

脱サラし個人事業主に転換する場合、年金や健康保険等の切り替えをしたり、確定申告をしたりと自分自身で様々な手続きが必要になります。

今まで会社に頼りっきりだったのでいざ自分でやろうとすると面倒になったり不安に感じたりしますよね。

でも大丈夫です。私自身の経験から誰でもスムーズに切り替えできるよう最低限やるべきことを解説したいと思います。

社労士試験に合格しておりますのである程度安心して読んで頂けると思います。

結構頑張って取った資格デス
この記事を読んで分かること

・国民年金への切替方法について

・国民健康保険への切替と任意継続保険について

・iDeCo(個人型確定拠出年金)の区分変更について

・確定申告の仕組みと手順について

読んで頂ければスムーズに手続きを行い事業に集中できるようになります。

では早速説明していきます。

①国民年金保険に加入する方法

「制度背景について」

既にご存知かと思いますが、会社員は国民年金の2号被保険者で厚生年金にも加入しております。つまり国民年金と厚生年金との2階建てになっております。

脱サラしてフリーランス(個人事業主)になった場合、2階部分の厚生年金はなくなりますので国民年金のみ加入する1号被保険者となります。(日本国内に居住する20歳以上60歳未満の方)

また例えば専業主婦等で60歳未満の扶養している配偶者がいる場合は、同時に国民年金への加入が必要となります。専業主婦の奥さんは国民年金の3号被保険者から1号被保険者となります。会社員の時は奥さんの分も厚生年金保険料に含まれておりましたが、脱サラ後は別途国民年金保険料を納付する必要があります。

「手続窓口について」

住所地を管轄する市区役所または町村役場の国民年金窓口に行く

「持ち物について」

・退職日記載書類(離職票・社会保険資格喪失証明書・退職証明書等)

・基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号を明らかにすることができる書類

・身分証明書(免許証・パスポート・マイナンバーカード等)

「手続き時期について」

退職日翌日から14日以内

「窓口で相談するべきこと」(少しでも有利な年金にするため)

・保険料支払い方法(納付書・口座振替・カード払い等)

・納付時期(前納について)

付加保険料支払い(加入推奨)

(例)10年納めた場合

400円×10年(120月)=48,000円納めると

→200円×10年(120月)=24,000円の増額(年間受取)

つまり2年間受給すれば納めた付加保険料と同額になるので大変お得です。付加年金は生涯もらえますので個人的には入らない手はないと思います。

※割引などの詳細は役所に置いてあるこちらのパンフレットに載っておりますのでよく読んで決めましょう。

役所で最新版もらえます

②国民健康保険もしくは任意継続保険に切替

会社員は入社と同時に会社側が全国健康保険協会や組合管掌健康保険に加入してくれますので公的医療保険について心配することもなかったと思います。しかし脱サラしフリーランスになると年金と同様健康保険についても自分で準備しなければなりません。

退職後フリーランスなる場合以下3つの選択肢があります。

(1)国民健康保険に加入

「手続窓口について」

住所地を管轄する市区役所または町村役場の国民健康保険窓口に行く

「持ち物について」

・会社の健康保険の資格を喪失したことが分かる書類(社会保険資格喪失証明書等)扶養家族がいる場合は全員分が必要です。独身や共働きの方で本人のみ申請する場合は退職証明書や離職票等退職したことが分かる書類でも可。

・マイナンバーカードもしくは通知カード

・保険料口座振替の登録に必要なもの(キャッシュカード・通帳・銀行印等)

「手続き時期について」

退職日翌日から14日以内

(2)健康保険任意継続制度を利用

下記1、2の条件を満たした場合本人希望により継続して被保険者となることができます。

1.資格喪失日の前日(退職日)までに継続して2ヵ月以上の被保険者期間があること

2.資格喪失日から20日以内に、「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること
※住所地を管轄する協会けんぽ支部へ提出する
※健康保険組合に加入していた方は、健康保険組合にて手続き

任意継続のメリット

●国民健康保険と違い扶養家族の保険料負担がありません。扶養家族がいる方は保険料が安く抑えられる場合があります。

●保険料は、退職時の標準報酬月額もしくは加入者全体の標準報酬月額を平均したものを比べ、どちらか低いほうに保険料率を掛けた金額の全額になります。

任意継続被保険者の標準報酬月額には上限があるため、高所得者ほど任意継続を選んだ方が有利になります。

因みに私は任意継続保険を選択しました。

どちらが有利になるか分からない場合、国民健康保険窓口と健康保険協会双方に保険料について確認した方が良いでしょう。

注意点

・継続できる期間は2年間

・保険料の納付が遅れると資格が喪失する(期限厳守)

(3)被扶養者になり健康保険に入れてもらう

→配偶者が会社員の場合このような方法もあろうかと思います。退職後しばし準備期間がある等状況により検討しても良いかもしれません。ここでは詳細は割愛させて頂きます。

③iDeCo(個人型確定拠出年金)加入者区分変更

iDeCoに加入していた方は、会社員→自営業の区分変更届を提出する必要があります。また掛金も増減することができます。手続きについては自分の取扱金融機関に問い合わせて必要書類を提出しましょう。

会社員の場合上限が23,000円でしたが自営業の場合68,000円にUPします。掛金全額が所得控除の対象となります。自営業の場合厚生年金がない分掛金の面で優遇されております。

ただ、私もそうですがフリーランスになりたての時は資金的にも慎重になる必要がありますので最初から無理に掛金を増やす必要はないかと思います。軌道に乗ってきたら徐々に増やすことを考えても良いと思います。

※iDeCoの掛金は年に1回しか変更できないので慎重に決めましょう。

フリーランスを開始する方は老後の準備も自己責任です。iDeCoの詳細について興味のある方は公式サイトでご一読下さい。

iDeCoの特徴|iDeCoってなに?|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】 (ideco-koushiki.jp)

④確定申告について

確定申告とはご存知の通り、その年の1月1日~12月31日までの所得に対する税金などを計算し税務署に申告することです。

会社員の場合、年末が近づくと会社で年末調整をしてくれますので確定申告をしたことがないという方もいるのではないでしょうか。中には医療費控除や住宅ローン控除の適用のため、あるいは副業や不動産投資等によって得た収入の申告のため確定申告をしたことがある方もいると思います。

脱サラし個人事業主となる場合、所得税の申告についても毎年自分自身で行う必要があります。この記事では脱サラフリーランス転身の方が最低限行う手続きについて漏れがないようにすることが目的なので手順について記しておきます。

(1)申告時期について

申告すべき収入を得た年の翌年2月16日~3月15日までの間に申告。

※事情があり遅れる場合は個別申請で4月15日まで受付できます。またインターネットを利用したe-TAXで申告する場合1月中旬以降から受付する場合があります。

(2)申告方法について

・税務署に直接持参し提出

・書類を揃えて住所地管轄の税務署に郵送

・国税電子申告・納税システム(e-Tax)を利用しネットで申告・パソコンやスマホで申請できるので便利です。仕組みややり方については国税庁HPをご参照下さい。

国税電子申告・納税システム(e-Tax)をご利用ください|国税庁 (nta.go.jp)

【確定申告書等作成コーナー】-作成コーナートップ (nta.go.jp)

※e-Taxで申告する際マイナンバー読取りのためのカードリーダーが必要です。こちらは私が使っているものです。快適に使用できております。もしよければご参照下さい。↓↓

私は不動産投資もしており会社員時代から電子申告をしておりますが税務署に出向くのと比べ簡易でスピーディーなので非常に満足しております。コロナ禍で混雑した場所を避ける意味でも良いと思います。国税庁統計によると令和2年度e-Tax利用率(所得税申告)は64.3%となっております。簡易で便利なので一般に浸透している証拠です。

(3)確定申告書作成のために準備する書類(脱サラ初年度)

・源泉徴収票(その年退職するまでに会社から支払われた給与分)

・生命保険や医療保険・損害保険等の各控除証明書

・ふるさと納税の証明書(寄付金控除に関する証明書)

・住宅ローン控除証明書及び計算明細書(住宅ローン控除を受けている方)※控除を受けている最中の方は今まで年末調整時に控除証明書と給与所得者用控除申請書を提出すれば控除を受けられましたが、退職後は自分で税務署に提出する必要がありますのでご注意下さい。

住宅ローン控除額の計算明細書↓

14.pdf (nta.go.jp)

私の場合正に控除最中だったので脱サラ初年度は自分で計算書を作成し提出しました。→基本的な申告はe-Taxで行い、住宅ローン控除必要書類のみ別途郵送で提出しました。結果無事控除を受けられました。

・その他副収入がある場合はその明細書等

・事業収入(売上)を上げた場合その明細書

・事業に関わる経費の領収書等→開業後は経費の計上も重要です。領収書をしっかり管理しましょう。

脱サラ後初年度は最低限こんなところで良いかと思います。漏れがないように御願いします。

(4)確定申告が簡単にできるソフトfreee紹介

※記載の通り私は数年前から不動産投資もしており、日常から収入や支出の管理をしておりました。また不明点がある場合サポートがあった方が安心できると考えfreeeという会計ソフトを使用しております。既にfreeeで3回確定申告しております。

システムに日々の収入・支出を登録すれば自動計算され確定申告書に数字が記載されます。口座やカードを連携させれば入出金履歴も全て見れます。そしてそのデータを登録することができます。

またリアルタイムに損益状況を確認できるので個人事業にも適しております。e-Taxと繋がっているので確定申告の時期にはfreeeシステムから簡単に申告できます。

もし興味があればご参照下さい↓↓

まずはお金の管理をしてみたいという方はこちらをご参照下さい↓↓

※補足です。今回は触れておりませんがフリーランスに転身しやることが決まった場合開業届を提出します。事業を開始してから1ヶ月以内に提出することが推奨されておりますが、出さないことによる罰則はありません。freeeでも開業届を出すシステムがあります。

開業届の詳細について知りたい方はこちらをご参照下さい。↓

開業届とは? 個人事業主のための開業届の基礎知識 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee

それでは今日はここまでです。スムーズなフリーランス転身を目指しましょう。今後も有益な情報を発信したいと思いますので宜しくお願い致します(*^o^*)

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